『真珠の耳飾りの少女』:押さえておきたい近年の発見

本日から遂に大阪中之島美術館で、「フェルメール真珠の耳飾りの少女展」(2026年 8月 21日 -9月27日)が開催されます。 フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』と『ディアナとニンフたち』を含む17世紀オランダ絵画全12作品が出品されます。加えて、フェルメール全現存作品が実物比率で映し出される予定です。 4度目の来日ですが、作品を所蔵するマウリッツハイス美術館マルティネ・ゴッセリンク館長から、今回が最後になる可能性が示唆されています。 この作品はたくさんの情報があちこちに散らばっていますので、この機会に押さえておきたいものを集約してみました。 ヨハネス・フェルメール、『真珠の耳飾りの少女』、1665年頃、44.5 cm X39 cm, 油彩、キャンバス、マウリッツハイス美術館、ハーグ Photo: wikipedia この少女は誰なのか? 肖像画ではなく、オランダ絵画で「トローニー」と呼ばれるジャンルに属すると考えられています。 トローニーとは、特定の人物を描くのではなく、表情や光、衣装などを研究するためのキャラクター像です。 でもなぜ、トロ―二―と考えられているのでしょうか。それは、彼女の個性が強調されるわけではなく、その特徴がエキゾチックな服、シンボルとしての真珠、瞬間の表情、光のあたり方で表現されているからです。 ただし、勘違いしてはいけないのが、トロ―二―だからと言ってモデルがいないわけではない点です。つまり、これまで提案されてきたフェルメールの娘マリア、メイド、あるいはパトロン(マリア・デ・クヌイト)の娘との関連性が完全に否定するわけではありません。 トロ二―なのに、実在する人物をベースとしている例はあります。その代表例が、レンブラント・ファン・レイン作『笑う男』です。 レンブラント・ファン・レイン、『笑う男』、1629-1630年頃、15.3 cm × 12.2 cm, 油彩、銅板、マウリッツハイス美術館、ハーグ, Photo: wikipedia 銅板の上に、粗い筆致で描いたこの作品は、緊張がほどけた瞬間にふっと笑みがこぼれる、その人間的な一瞬を捉えた表情研究、つまりトロ―二―の特徴を持っています。 その一方、顔の特徴は、骨格から、鼻の膨らみ、眼の細めかたなど、レンブラント自身にそっくりです。 「フェルメール真珠の耳飾りの少女展」では、この作品も同時に公開されますので、こちらの方もじっくり堪能してみてください。 真珠の耳飾りについて 少女をつけている真珠の巨大なサイズからして、本物である可能性は極めて薄いです。 では、何なのでしょうか。 アムステルダム国立美術館絵画・彫刻部長Pieter…