アート なぜ名画には犬が登場するのか? 01/31/2026 家族写真を撮ろうとしたら、なぜか犬だけが完璧に写っていて、他の人は眼をつぶっているとか、カメラを見てないとか──そんな経験はありませんか? 実はそれ、皆さんが初めてではありません。 レンブラントも、ファン・エイクも、ベラスケスも、みんな犬に「画面ジャック」されてます。名画の中の犬は、時にはこっそりと、時には堂々と存在感を放っています。 今回は、アートも犬も大好きという方のための特集です。 名画に登場する犬たち レンブラント『夜警』:美術史に響くワン! レンブラント・ファン・レイン、『夜警』、1642、アムステルダム国立美術館、363 cm × 437 cm、油彩、キャンバス Photo:rijksmuseum オランダバロック時代の巨匠レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)による名画『夜警』(1642年作、アムステルダム国立美術館所蔵)です。正式名称は、『フランス・バニング・コック隊長指揮下にある第2市民自警団』となります。 この大迫力の絵の片隅で、ひときわ元気に吠えている犬がいます。クロースアップで見ましょう。 レンブラント・ファン・レイン、『夜警』部分 Photo:rijksmuseum 長い間「なんでこの犬なのか?」と謎だったのですが、最近の研究で、レンブラントが別の画家のスケッチを参考にしたらしいことが判明しました。そちらの方もお見せしましょう。 アドリアーン・ピーテルスゾーン・ファン・デ・フェンネ、『犬の描写』、ヤーコプ・カッツ著『Self-Strijt(内なる闘争)』のための扉絵デザイン、1619年より Photo:rijksmuseum レンブラントは、「もうちょっと動きが欲しいな…そうだ、犬だ!」と思ったのだと思います。結果として、絵に躍動感とちょっとした混乱、そして愛嬌をプラスする名脇役になりました。 実際に、絵画ではよく使われる手法です。 ヤン・ファン・エイク『アルノルフィーニ夫妻像』:結婚で「良い夫婦になる」証明書 ヤン・ファン・エイク、『アルノルフィーニ夫妻像』、1434年、パネル、油彩、84.5 cm × 62.5 cm、ナショナルギャラリー、ロンドン、Photo: wikipedia 夫婦の足元でちょこんとこちらを見つめる小型犬。犬種は、ブリュッセル・グリフォンの祖先と考えられています。小さいサイズでも、その存在感は抜群です。 というのも、ただのペットではなくて、忠誠心と夫婦の誠実さを象徴しています。つまり中世版の「私たち、ちゃんと信頼し合ってます」というアピールになっています。キュートな犬が登場するだけで、画面に暖かさと生命感が感じられます。 構図的にも中央でふたりをつなぎ、また犬だけがつぶらな瞳で私たちと視線を合わせるので、もう家族の一員としての圧がすごいです。 それにしても、ファン・エイクの生きているような細密描写には恐れ入ります。 ヤン・ファン・エイク、『アルノルフィーニ夫妻像』部分 Photo:wikipedia ベラスケス『ラス・メニーナス』:王宮のど真ん中でくつろぐ大物 ディエゴ・ベラスケス、『ラス・メニーナス』、1656年、318 cm × 276 cm、油彩、キャンバス、プラド美術館、マドリード Photo: wikipedia この複雑で不思議な構図の絵の中で、堂々と寝そべっているのが大きなスペイン・マスティフ犬です。…